プレスリリース

アズジェント、世界初、実用次世代IP電話装置を発売
~高品質な音声、動画を安心して通信可能~

2003年7月30日
株式会社アズジェント

セキュリティソリューション提供を主業務とする株式会社アズジェント(代表取締役社長:杉本 隆洋 所在地:東京都中央区日本橋)は、同社米国子会社であるApplico Security, Inc.(米国、President:Arun Kant)との共同開発により、次世代IP電話の実用化を可能にする世界初のSIP対応RTC(リアルタイムコミュニケーション)スイッチ「Applico SIP RTC スイッチ ASA3800」を、日本を含むアジア・パシフィック地域において8月末より販売いたします。

【背景】

パケット化した音声情報等をインターネット回線を利用して伝達する技術VoIP(Voice over IP)が注目をあびています。IP電話が一般化するにつれ、その注目度は急増傾向にあり、国内VoIP市場は、2002年の約32億円規模から2007年には7200億円へと成長すると言われています。(IDC Japan、2003年4月調べ)
このIP電話の活性化とともに注目を浴びているのが、SMTP(メール)、HTTP(Web)に続く、インターネット上の第三のキラープロトコルと言われるSIP(Session Initiation Protocol)です。SIPの将来性及びディファクト化は、マイクロソフト社が企業コミュニケーションにおける次なるステップとして、RTC(リアルタイムコミュニケーション)を提唱していることからも明らかです。RTCはSIPをコアテクノロジーにインスタントメッセージング、音声、動画等を統合し提供することを目的としています。4600万ライセンス以上の出荷実績(2002年11月)をあげているWindowsXPに搭載されているWindows MessengerはSIPを標準採用しており、Windows Server 2003のアドオンとして発売予定のサーバアプリケーションMicrosoft Office Live Communications Server 2003 もSIPをベースとしています。以上のことからもSIPがインターネット・プロトコルのデファクトスタンダードとなっていくことは必至です。

一方、IP電話に代表される現在のVoIPのネットワークは以下の問題や限界を抱えています。

■SIP接続における問題点
  • 導入コスト、運用コストが高い
  • IP電話=VoIP(音声)のみの利用に限られている
  • 相互接続性がない
    ・クライアント及びサーバで異なるメーカ機器との接続性がない
    ・IP-PBXなど既存装置との融和性がない
■音声・画質の問題
  • 遅延が発生する
  • ジッター補正ができない
  • 異なるコーデック間での通信ができない
  • ホップ数が多いインターネット上で品質が維持できない
■セキュリティの問題点
  • ポート5060を制御できない
  • ダイナミックNATを実現できない
  • 暗号化に対応していない(音声用VPN、PPTP、TLSなど)

これらの問題や限界を克服し、RTCが通信のみならず、教育、医療、娯楽などの新分野に幅広く普及することによって、VoIPを超える数兆円規模の市場が誕生すると期待されています。

このような背景のもと、アズジェントは、「Applico SIP RTC スイッチ ASA3800」を販売開始いたします。
「Applico SIP RTC スイッチ ASA3800」はSIP機能、音声/画質向上機能とセキュリティ機能を高度に統合したアプライアンス機器です。従来の個別の機器及びそれらの組み合わせでは解決できなかった「SIP、品質、セキュリティ」の問題を高度に解決した世界初の実用次世代IP電話装置です。RFCに準拠しており、SIP関連のサーバやクライアント、IP-PBX及びファイアウォールとの接続性、互換性が保たれており、既存の設備投資を生かしながら通信インフラを最も経済的に構築できます。 もちろん、ASA3800一台で新規の通信インフラを構築し、必要に応じてカスケード接続で処理能力をあげていくことも可能です。 特許取得済み及び特許申請中のダイナミックQoSを内蔵、すべてのコーデックに対応しているので、ホップ数が多く遅延やタイムアウトの多いインターネット環境においても、高品質な音声、TV並みの滑らかな動画を伝送することができます。
セキュリティ面においては、従来のファイアウォール機器では対応出来なかったn対nのダイナミックNATを実現するとともに、SIPのデフォルトポートである5060を完全に制御することができます。VPN、PPTP、TLSにも対応しているので、安全な通信を確立することができます。また、ASA3800は電源、カードの二重化はもちろんのこと、装置レベルでの多重化機能も備えています。

本商品は、アズジェントの米国子会社 Applico Security社の創業者であるArun Kant氏(元シスコ社のルーター開発技師) 、Tsong-Ho Wu氏(元SONET主設計者)及びアズジェントとの共同研究により開発され、2003年1月から実用目的でβ機がシンガポールテレコム、インドネシアテレコム、チャイナユニコム等のキャリア、スターハブ、パシフィックインターネットなどのISP、デュポン、インターナショナルベアリング、ネプチューンオリエントライン等の多国籍企業で導入され、半年間の実証で高い評価を得ることができ、8月末より本格発売されます。アズジェントでは、Applico SIP RTC スイッチ シリーズの第一弾として、「ASA3800」を日本を含むアジア・パシフィック地域のキャリア、ISP、大企業向けに販売を行っていきます。

【Applico SIP RTC スイッチ ASA3800 】

■販売予定時期
2003年8月
■販売予定価格
980万円~
■特徴
  • 既存商品との相互接続性(RFC準拠)による初期投資の低減
    ・IP-PBX、PSTNゲートウェイ、SIPサーバ、SIPクライアント等の他のコンポーネントとの相互接続を実現
    ・全てのRFC準拠 SIPクライアントに対応
    ・H.323、MGCP、MeGaCo/H.248とのTINY SIP経由での相互接続
  • 高品質な音質、画像の伝達を実現
    ・様々なコーデックに対応(G711、G723、G723.1、G729等)
    ・Voice、Video、インスタントメッセージング、アプリケーションシェアリング等の通信を実現
    ・マルチ・コンファレンス機能(8人まで可能。)
    ・Microsoft Messengerとの互換性
    ・ダイナミックQoS機能
  • 安全な通信を実現
    ・5060ポートのダイナミックコントロール
    ・暗号化機能(TLS、PPTP、VPN) *VPNはオプション
    ・電源、インターフェースの二重化
    ・筐体の多重化対応
  • その他
    ・ダイナミックNATに対応
    ・IPv6対応
    ・カスケード接続(最大8台)
■仕様
  • サイズ:90(H)×483(W)×522(D)mm、4U、19インチラックマウント可能
  • インタフェース・スロット×4
  • SIPユーザ:最大8,000ユーザ(カスケード接続により最大64,000ユーザ)
  • セッション数:8,000同時セッション(カスケード接続により最大64,000セッション)